第104回『TOKYO月イチ映画祭』2026年3月8日(日)
■12:50~ 前回『TOKYO月イチ映画祭』グランプリ作品特別上映(無料)
● 作品 『Lelaina』 24分/2024 監督 長棟航平

【あらすじ】
”リレイナ”
ライブハウスで会った女は、ミキオにそう名乗った。
10年が経った。ミキオは今も彼女の名前しか知らない。
【紹介文】
監督たる者、一生に1本、傑作を撮れる題材があるなどとよく言われる。それは、自分自身のお話。例えば“恋愛”について。
本作のタイトルにしてヒロインが自称する名『Lelaina(リレイナ)』は、1980年代後半から90年代に掛けて、当時のボンクラ男子から絶大なる人気を集めたウィノナ・ライダーが、『リアリティ・バイツ』(94)で演じた役名。そこには、「女の子を好きになっては、失敗ばかりしてきた」と吐露する、長棟航平監督が、自らのアイドルに託した、万感の想いが籠められている。
とはいえ、己の軌跡を辿るだけでは、単なる独りよがり。他者からは「どうでもいい」と思われかねない“ダメ恋愛譚”に、いかに普遍性をもたらすか?それが、作品としての強度に繋がる。
本作は昨年、インディーズ映画祭のコンペティションを、まさに席捲。私が審査委員長を務める「熊谷駅前短編映画祭」では、“審査員特別賞”を受賞し、シネコンでの1週間公開を勝ち取った。各地で上映の度に、かつてのボンクラ男子が駆け寄ってきては、「これは俺の話です!」と、監督に熱い感謝の意を伝える光景が見られるという。
まさに、長棟監督の勝利と言えよう!(松崎まこと)
【受賞・上映歴】
YEOSU International Web Fest 脚本賞
日本海シアター 最優秀作品賞
長岡インディーズムービーコンペティション 女優賞
熊谷駅前短編映画祭 俳優賞/審査員特別賞
芦屋国際芸術祭/山形国際ムービーフェスティバル/日本セルビア映画祭/モスクワアジアンフ映画祭/福井駅前短編映画祭/泉佐野フィルムフェス/SAITAMAなんとか映画祭
【監督プロフィール】
1988年5月31日兵庫県生まれ。
2011年大阪芸術大学卒業制作映画「夜が終わる」でCINE VIS CINEMA2013 準グランプリ受賞。
2014年「みなと、かこ、げんざい」で第六回日本芸術センター映像グランプリ新人賞、Kisssh-Kissssssh映画祭映画祭特別賞を受賞。第15回ドイツ・ハンブルグ日本映画祭でも上映。
短編映画「Chick flick fanclub #1」は、横濱インディペンデント・フィルム・フェスティバル2016で、音楽賞&cinefil賞を受賞。
2023年ドキュメンタリー映画「パロディスター」が東京名古屋大阪で劇場公開。
監督、撮影、編集を自分で行うプロジェクト clementine を立ち上げ、通算100本以上のインディーズロックバンドのMVを製作している。
【キャスト】
中山雄斗、後藤さり、笠松七海、こっけ、アベラヒデノブ
【スタッフ】
撮影:上坂美由希/ 助監督:大田健人/ 録音:中田敦樹、金子優次朗、渡邊健太/ 整音:中村太樹/ ヘアメイク:佐々木ゆう/ スタイリング:谷口雄介/ スチール: 秋光亜実/ 脚本協力:敦賀零
予告編
■ Aプログラム■(有料)13:50~
● 作品 『光る校庭』 72分/2022 監督 比嘉一志

【あらすじ】
行方不明となったまま死亡とされてしまった父を持つ大場智哉は、小学5年生の夏に東京から母の実家へと移り住む。
夫の死を未だ受け入れられていない母、しっかりものの姉と、明るい祖父との新生活が始まった。
転校先の小学校で智哉は、大病を患うクラスメイト・西川翼と出会う。
体の弱い翼を過剰なほど気づかう担任やクラスメイトたちに違和感を抱きつつも、智哉は翼との距離を縮めていく。
そして、翼の存在が智哉にとっての死生観を刺激しはじめる。
2人の少年と、それぞれの家族の小さな前進があたたかく描かれるひと夏の物語。
【紹介文】
映画製作に当たって、作り手は何を強みとするか!?
ケースバイケースではあるが、制作面に於いて、「地の利」「人の利」というのは、強い武器になると思う。
比嘉一志監督は、愛知県豊田市出身。大学を卒業し地元企業に就職しながらも、夢を諦めきれずに上京。徒手空拳で映画の世界へと飛び込んだ。
助監督として経験を積んだ、彼の監督デビュー作は、2年前の「月イチ」復活早々に上映した、『焦げ。』(2019)。故郷の生家をメインの舞台に使用し、メインキャストの1人に地元劇団の方を起用。更に市内のロケ、そして完成後の上映などで、地の利を広げていった。
監督第2作になるのが、本作『光る校庭』(2022)。父を失った少年が、病弱なクラスメートとの出会いで、成長を遂げていく。夫の死を受け入れられなかった母にも、その影響が及んで…といった、家族の物語。前作以上に大々的に地元の協力を取り付けているのが、画面からも伝わってくる。
そして「人の利」。助監督で培った人脈を活かして、本作では安達祐実、光石研といった、“インディーズ作品”ではあまりお目に掛かった記憶がない、一級の配役に成功している(その分演技レベルをどう揃えるかには、相当苦労したようにも思えるが…)。
先には挙げていなかったが、映画製作には当然「金の利」も必要だ。折良く…と言っては問題になるが、本作製作時にはちょうど「AFF~コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業」が実施されており、その補助金が本作の製作費に充てられたことも、付記しておく。
「田辺・弁慶映画祭」では、監督作が2作とも“入選”止まり。テアトル新宿での上映が勝ち取れなかったという蹉跌はあれど、大きな味方を持っている比嘉監督の作品作り、そしてそれに関わる活動からは、目が離せない。(松崎まこと)
【受賞・上映歴】
2022 年 横濱インディペンデントフィルムフェスティバル 2022 長編部門最優秀賞
2023 年 第 21 回中之島映画祭 グランプリ受賞
2023 年 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 ゆうばりチョイス作品選出
2023 年 第 9 回賢島映画祭 準グランプリ受賞
2023 年 第 17 回 田辺 ・ 弁慶映画祭 入選
2023年12月〜 劇場公開(トリウッド、イオンシネマ板橋、シアターセブン、刈谷日劇 等)
【監督プロフィール】
地元 ・ 愛知県豊田市で大学時代まで過ごし、 そのまま地元の企業に就職し自動車関係のエンジニアとして勤務。
就職し8年目に 『人生一回、 やりたい事をやろう』 と思い立ち 「映画監督」 を目指すために上京を決意。
30 歳にして東京にある映画の専門学校に入学、 卒業後は映画監督を志し、映画やテレビドラマの助監督をしながら、 自主映画を撮影する。
【キャスト】
梅垣然太、笹木祐良、安達祐実、光石研、里園侑希、榊原徹士
【スタッフ】
監督・脚本 … 比嘉一志 / 撮影 … 佐藤雅樹 / 照明 … 志村幸也 / 録音 … 治田 敏秀 / 衣裳 … 渡辺崇也 / メイク … 井塚茅乃 加藤紗弥 / 編集 … 板倉詩苑
音楽 … 大石晶子 / 主題歌 … 大平伸正
●予告編
● 作品 『骨噛み』 10分/2025 監督 米澤成美

【あらすじ】
亡くなった大叔母の遺品整理をしている女
大叔母さんは祖父の姉だが、祖父と仲が悪く、どんな人かも分からなかった。どんな人だったのか知りたいと、女は大叔母の骨壷から骨を取り出して……
【紹介文】
【受賞・上映歴】
おまめ映画菜 LOVE & Beans 上映
【監督プロフィール】
米澤成美
俳優。2015年から自主制作で映像を撮り始める。2022年初の長編映画『ちくび神!』が、池袋シネマロサ、大阪シアターセブンで劇場公開される。
【キャスト】
米澤成美
【スタッフ】
吉田良介
● 作品 『thousand mile stare』 5分/2025 監督 tama-style

【あらすじ】
戦乱後の汚染された戦場は雪に覆われていた。ガスマスクを被った兵士はひとり雪中を行軍するが、何者かの攻撃を受け重傷を負い、仰向けのまま最期の瞬間を迎える。死に際に思い起こすのは故郷に残る娘のことだった…
【紹介文】
先日開催した「第3回熊谷駅前短編映画祭」で、116本のエントリーから選ばれた、18本の入賞作の1本である。
tama-style監督に関しては、渡邉高章監督と並ぶ、インディーズ“ファミリー映画”の雄と、私は勝手に呼称している。愛娘をメインのキャストとして、“家内制手工業”とでも言うべき体制で、短編製作に取り組む。
渡邉監督が身内を起用する場合は、「等身大」とでも言うべき“親子”や“家族”の物語となることが多い。それに対しtama-style作品は、もっと攻めたテーマにもチャレンジしている。
本作『thousand mile stare』は、相も変わらぬ超少人数クルー(と言うより、ほぼ本人だけ?)で作り上げた、“戦争映画”だ。
登場するのも、監督自ら演じる主人公と、娘さんだけ。しかし、この超ミニマムな制作体制で、“戦争”が引き起こす悲劇や災禍を表現することに、果敢にトライしている。
折しも世界中で、“戦火”が多くの人命を奪っている。犠牲になるのは、戦争を起こした者ではなく、戦地に送られた一兵士や、その家族である。
極寒での孤独なロケ撮影から、tama-style監督の熱い訴えが伝わってくる。(松崎まこと)
【受賞・上映歴】
第3回熊谷駅前短編映画祭優秀賞、パルマ・ヴァーサス国際短編映画祭サスペンス部門入賞・最優秀監督賞ノミネート、FRENZ2025・融解座・ハイロ・第四世界(not)3D・第3回全力前進映画祭・第11回あわら湯けむり映画祭・第三回山国映画祭上映
【監督プロフィール】
映像作家/映画監督/動画師。
Portfolio:https://tama-style.tumblr.com/
【キャスト】
tama-style , RINA
【スタッフ】
監督・脚本・撮影・編集:tama-style 撮影・ドローン:ProjectDA4 音楽:大前司
●予告編
■ Aプログラム終了 16:00
■ Bプログラム開始 16:20~
● 作品 『脱獄日和』 15分/2020 監督 神戸竜馬

【あらすじ】
脱獄した二人の囚人。刑務所の壁を越えたはいいが行く当てもなく……そうこうしている内に腹が空く。さて、これからどうしたものか。映画好きに贈る珠玉の脱獄系オフビートコメディ。
【紹介文】
デジタル化以降はハードルが下がったとはいえ、学生映画を撮っていた者が卒業後に映画を作り続けるには、諸々困難が伴う。それは会社員であっても、フリーターであっても、同様だ。
まずは製作資金や機材の問題がある。仮に映像系の企業に就職したとしても、業務外である個人の映画製作に時間を割くことは、容易ではない。
スタッフやキャストを、どうするかも悩ましい。シネマプランナーズのような手段はあれど、ただ集めれば良いというものでもない。
本作『脱獄日和』は、撮影・編集でクレジットされている山田純が、高校時代からの友人で映画好きな神戸竜馬を焚き付けて、監督・主演させた作品。映画の撮り方などまったくの門外漢だった神戸監督を、一から十までサポートしたという。
そうして出来上がった作品は、脱獄犯2人を主人公にしながら、ちょっと“脱力系”と言うべきか。逃亡劇である筈なのに、緊張感は微塵もない。
主役の2人が、ハリウッド製の“脱獄映画”について語らったり、食物を得る算段でやり取りしたり等々の、かなりユニークな会話劇として仕上がっている。オチ(?)など鑑みると、令和版の『俺たちは天使じゃない』と、言えなくもない。
山田は後に、大学の後輩が監督した『ひとがたに流れる血』(2025)にも、撮影・照明・グレーディングで関わっている。
そのように、スタッフとして映画に関わり続ける方策を取りつつ、乾坤一擲!ひょんことから“裏社会”に関わることになった、“食人願望”のある青年を主人公としたクライム・サスペンス『竜宮の誘い』(2025)を監督作品として放ち、「第19回田辺・弁慶映画祭」の最高賞=弁慶グランプリを勝ち取ったのである。(松崎まこと)
【受賞・上映歴】
なし
【監督プロフィール】
静岡県出身。高校卒業後、自衛隊入隊。除隊後、友人らと「脱獄日和」制作。現在、フリーター。
【キャスト】
神戸竜馬、増水雅俊
【スタッフ】
撮影・編集:山田純
録音・車両:山口達矢
照明:中谷勇雅
● 作品 『あなたの影』 25分/2024 監督 中沢志保

【あらすじ】
介護職をしている紬は、ある日一駅歩いて帰る途中、道端で絵を売っている青年と出逢う。彼の描く影の絵に、引き寄せられる紬。そして仕事が早く終わった日は彼の絵を見に行くのが、紬の日課になっていく…
【紹介文】
「TOKYO月イチ映画祭」で今年1月・2月のそれぞれグランプリを獲得した『餃子と白米』『Lelaina』は、私が審査委員長を務める「熊谷駅前短編映画祭」の「第2回」(昨年開催)で主要賞を受賞。共に劇場上映を勝ち取った作品だった。
そうした意味では、本作『あなたの影』は、ある意味“真打ち”と言えるかも知れない。同じく「第2回」の「熊谷」で、ゲストの吉田大八監督をはじめ、その時の審査員が満場一致で、最高賞=グランプリに選んだ作品だからである。
主人公は、介護士の女性。ある時彼女は、道端で画を売っている男と出会う。路上に並べられている、すべての作品のモチーフは、“影”。コミュ障らしき彼は、“影”しか描かない、画家だった。
ヒロインは、あまり売れている様子も見えない“影”の画に強く惹かれる。彼女はそこに通っては、画家と一言二言会話をして、作品を購入することが、何よりも楽しみになっていく…。
今どきありえないぐらいの、ピュアなキャラクターたちを、十全に活かした展開が、心にじわっと沁みてくる“ラブ・ストーリー”。
この作品もまた、中沢志保監督はじめ主要なスタッフが、昨今の“映画祭”を賑わす、映画美学校の出身である。
コロナ禍前の「月イチ」では、『宮田バスターズ』他でお馴染みの存在だった、大須みづほがヒロインを演じているのも、見逃せない。「熊谷」ではその演技に対して、“俳優賞”が贈られた。(松崎まこと)
【受賞・上映歴】
「第2回熊谷駅前短編映画祭」
グランプリ&俳優賞(主演・大須みづほ)
熊谷シネティアラ21で上映
「第26回長岡インディーズムービーコンペティション」準グランプリ
「第2回にほん海シアター短編映画祭」優秀賞
「第16回日本映像グランプリ」ノミネート・上映
「にいがたインディーズムービーフェスティバルVol.28」上映
【監督プロフィール】
役者として学生映画などに参加していく中で、自分も映画を撮りたいと思い、2017年より自主映画制作を始める。
映画美学校フィクションコース25期高等科修了、
映画制作団体VACANCEpictures メンバー。
現在も役者しながら、映画制作活動を続けている。
【キャスト】
大須みづほ、直木ひでくに、片岡雛子、にしやま由きひろ、大塚治
【スタッフ】
制作・プロデュース 中江ふみえ
撮影 根岸一平、MIMO Shinohara
照明 根岸一平、釜口恵太
録音・整音 堺史洋
助監督 長谷川翔、大権早耶佳
劇中画・宣伝美術 悠果
フードコーディネート 田中和美
●予告編
● 作品 『陰謀惑星』 7分 監督 鬼木幸治

【あらすじ】
笑顔でスキップする陽気なホシノくん。彼のために集まった友達。おでん、そしてラジカセ。呑気なホシノくんを待ち受けるとんでもない運命とは…
【紹介文】
【受賞・上映歴】
パルマジャパン国際短編映画祭 最優秀監督賞
沖縄NICE映画祭3【監督プロフィール】
【監督プロフィール】
鬼木幸治
Los Angeles(米国)にて映画製作を学ぶ。
以後、ショートフィルムを中心に活動。
米国留学中にベルリン国際映画祭タレントキャンパスに入選。
帰国後も自主制作活動を続けている。
【キャスト】
星耕介、石川紗世、亀沢純一、比佐仁、保田泰志、戸枝尚
【スタッフ】
鬼木幸治
●予告編
■ 閉会式 18:10
