第93回 TOKYO月イチ映画祭 2025年 4月13日(日)
雨にもかかわらず、大勢の観客の皆様で大いに盛り上がりました!
観客の皆様、監督、関係者の皆様ありがとうございました!
グランプリは『息子さんのつくもさん』鹿野洋平 監督が受賞いたしました。
おめでとうございます!


■ 前回グランプリ作品上映 ■(無料)12:50~
● 作品 『まよなかの探しもの』 15分/2024 監督 武田明香里

【あらすじ】
毎日を退屈に感じている少女。ある日、街の大きな時計が止まってしまう。真っ暗で静かな街で、少女の「探しもの」が始まる。飛び出す絵本のストップモーションアニメーションで描く、とある夜の物語。
【紹介文】
「飛び出す絵本のストップモーションアニメーション」と書かれていて、どういう意味だろう?と思いつつ作品を観てびっくり。みなさま是非びっくりして下さい。本作はまるで飛び出す絵本の中に入り込んだような錯覚を覚えるような楽しさがある。子供の頃プラモデルや模型を作るとその中に入り込む空想をしつつ遊んだものだが、その感覚を思い出させられた。「飛び出す絵本」という設定があることで本作の童話的なお話の中に入り込みやすくなっている。自分の子供の頃の心がよみがえったような気もした。これはなかなかの発見である。素晴らしい作品ですので是非観てください!
【受賞・上映歴】
○2024年 第17回 TOHOシネマズ学生映画祭 ショートアニメーション部門 準グランプリ、ROBOT賞
○2024年 横濱インディペンデント・フィルム・フェスティバル2024 アニメーション部門最優秀賞
○2024年沖縄NICE映画祭3 上映○2024 第3回彩の国市民映画祭2025 ノミネート
○2024 第23回インディーズアニメフェスタ ノミネート
【監督プロフィール】
2002年1月2日生まれ。宮城県出身。東北芸術工科大学デザイン工学部映像学科卒。主に、飛び出す絵本のストップモーションアニメーションを制作している。
【キャスト】
武田明香里、高橋あおい、桜野恵里、佐伯楓
【スタッフ】
脚本・美術制作・撮影・編集・監督/武田明香里
■ Aプログラム ■(有料)13:35
● 作品 『息子さんのつくもさん』 27分/2024 監督 鹿野洋平



鹿野洋平 監督

キャスト 木許昌子
【あらすじ】
孤独に誕生日を迎えた老婦・トシエは、思い出深い日本人形の買取を依頼する。つくもは出張査定に訪れるが、彼女のホースの水がかかってずぶ濡れに。二人は服が乾くまでのあいだ一緒に過ごし、つくもは亡き母とトシエの姿を/トシエは亡き息子とつくもの姿を重ね合わせる。やがてトシエがおやつを買いに出かけるとそこへ思わぬ訪問者が現れる。つくもはトシエの息子だと勘違いされたまま、ある真実を突きつけられるのだが……。
【紹介文】
日本各地の映画祭を席捲し、ちょうど1年前「月イチ」でも上映された、『つくもさん』。そのPART2の登場。
“日本映画界”には、もっと気軽に観られるシリーズものが必要だ!その利点としては、主役をはじめお馴染みの顔触れが繰り返し出演する内に、説明的な内容は最小限に、中味を面白くすることに注力できる。
例えば1年に1本、撮影時期や公開時期が決まってくれば、出演陣はスケジュールが空け易く、観客もその時期の“再会”を心待ちにするようになる。『男はつらいよ』や『釣りバカ日誌』があれだけ作を重ねられたのは、まさにそうした好循環の効用である。
人の好さや親切心故に、思いがけない事件に巻き込まれてしまう出張買取業者の中年男。プライベートはバツイチで、我が子に会わせてもらえない…。“つくもさん”のそうしたキャラクター、物語のフォーマットは、最近は『踊る大捜査線』シリーズにも参入した、大活躍の渡部直也のキャラと相まって、この第2作『息子さんのつくもさん』で、完璧に出来上がった!
第3作では早くも(?)、海外ロケを敢行という風の噂も伝わってきている
“つくもさん”には、インディーズ界の“寅さん”を目指して欲しい。1年に1本作り続けて、やがてメジャーの世界に駆け上って…と、夢は尽きないのである。(松崎まこと)
【受賞・上映歴】
・西湘映画祭 Seisho Cinema Fes 8th コメディ部門 入選(選考中)
・パルマジャパン国際短編映画祭2025 最優秀俳優賞ノミネート(選考中)
・第3回彩の国市民映画祭2025 入選
・沖縄NICE映画祭3 入選
・広島こわい映画祭2024 入選
・第2回大牟田映画祭 入選
・第1回芦屋国際芸術映画祭 コンペティション部門 脚本賞受賞
・第1回アートファインディング映画祭 俳優賞/優秀賞 受賞
【監督プロフィール】
1992年神奈川県横浜市生まれ。2017年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了後、 東映株式会社に芸術職研修契約者の助監督として入社。白石和彌監督『孤狼の血』はじめ、東京撮影所・京都撮影所で数多くの映画やTVドラマに演出部として参加する。2020年4月より独立し、フリーランスの映像作家・助監督として活動中。
【キャスト】
渡部直也、木許昌子、村松和輝、森山みつき、佐藤晶愉輝
【スタッフ】
監督・脚本・編集:鹿野洋平
撮影:鈴木和馬
録音:上原 彩
制作:佐藤 晶愉輝
●予告編
● 作品 『言葉とは』 3分/2023 監督 tama-style


tama-style 監督
【あらすじ】
その日は朝から左目の奥がじんわり痛くて
学校を休んで部屋のベッドに寝ころんでいたら
天井裏に住む意地悪な小人が
仰向けのままの私の不甲斐なさを責めるので
結局一日何もすることができませんでした
【紹介文】
3分12秒と短い尺で、登場人物一人だけの作品。スタッフは監督と主演の少女役の役者がアニメーションも担当。最近は短編でも数百万の制作費でスタッフも多い作品が多いのだが、少数精鋭だからこそ描ける世界もあるのでは無いかと思う。本作はとても関係性の濃い、監督と女優がタッグを組むことで、この不思議な世界を描くことが出来たのでは無いかと思う。あっという間に終わる作品だが、なぜか心に残るものがある映画。是非観てください!(野火明)
【受賞・上映歴】
◆上映 FRENZ2023/融解座/PVSF2023R/第四世界 BACK 2 REVENGE/シネマ秘宝館85/第2回全力前進映画祭
◆入選 第12回3分映画宴/第4回SAITAMAなんとか映画祭/パルマジャパン国際短編映画祭2024/鶴川ショートムービーコンテスト2024
◆受賞 玄光社ビデオサロン2024年4月号Views 月間ベストムービー
【監督プロフィール】
tama-style(たま-すたいる)
1981年秋田県生まれ。
2004年頃から当時話題となっていたFLASHアニメーションに感銘を受け個人映像制作を開始。同時に実写での劇映画制作を行っていました。
大学卒業後は都内映像制作会社でTV番組編集やYouTube動画制作業務等に携わり、就職以来長らく個人名義での映像制作から遠ざかっていましたが、2018年よりtama-style名義で個人制作活動を再開。現在は主に実写映画やミュージックビデオなどの映像を制作しています。
【キャスト】
出演:RINA 声:すいそ
【スタッフ】
脚本・撮影・編集・監督 tama-style アニメーション:RINA
●予告編
● 作品 『サインはまん ここ わい』 10分/2021/R18+ 監督 岩崎友彦


岩崎友彦 監督
【あらすじ】
日々厳しいしごきを課す、萬田工業女子バレーボール部の鬼コーチ・友牧。しごきに耐えかねた女子部員たちは、彼の怖いものを探し当てて一泡吹かせてやろうと一計を案じる。早速探りを入れ、友牧の怖いものが判明。それは想像もしないものだった…。
【紹介文】
まず自分が楽しみ、やりたいことをやり、ついでに観客の皆さんに見せてあげるという方針でやっています。有難く楽しんでいただければ幸いです。月イチ映画祭のグランプリは観客の投票=評価により決まるという大変潔いシステムですが、そういう意味ではこの作品も配信開始後数週間ぐらいは邦画のベスト1~3位あたりを占めていたと思います。総視聴時間でキムタク映画に勝ってました。しかしなかなかリアルで「見ました!ファンです」という人に会えないのが配信の寂しいところ。皆さんの生の反応を楽しみにしてます。(岩崎友彦)
【キャスト】
豊岡んみ、中村友里恵、西入美咲、松緯理湖、相川優、岩崎友彦
【スタッフ】
監督:岩崎友彦 /撮影:吉田康弘
■ Bプログラム ■(有料) 15:20
● 作品 『山田』 20分/2019 監督 馬渕ありさ


馬渕ありさ 監督

【あらすじ】
死ぬ場所を求め、樹海に来た男 小林が、 「やつら」と必死に戦う男 山田と出会う。おもちゃの銃を手に持ち、見えない敵と戦いながら一生懸命生きようとする山田の生命力を見せつけられるうちに、小林の気持ちに変化が起こる。
【紹介文】
「月イチ」では昨年上映された『ホモ・アミークス』(2023)に続く『噛む家族』(2024)が、昨秋の「第18回田辺・弁慶映画祭」で、見事“弁慶グランプリ”をはじめ五冠をゲット!5月にテアトル新宿「田辺・弁慶映画祭セレクション2025」で公開の運びとなった、馬渕ありさ監督。
彼女が青学の映画サークル時代に撮り、映画祭などで初めて注目された作品が、この『山田』である。
死に場所を探して樹海に彷徨い込んだ男が、“山田“と名乗る予期せぬ存在と出会う。望んだわけではないのに命を救われ、その後“山田”と過ごす内に、死のうとしていた男の中の“何か”が変わっていく…。
想定外の邂逅によって物語が動き、登場人物の新たな頁が開いていく。これは馬渕作品に、共通のモチーフ。そうした意味で『山田』は、まさに“原点”とも言える。
また『山田』は、馬渕作品に欠かせない辻智輝とのパートナーシップが、世に出た作品でもある。当初は異物感の方が立つ辻だが、“山田”を演じる彼の行動や表情を追っていると、遂には「カワイイ」とさえ感じてしまう。
そこに馬渕作品の、“出会い”の力を信じる源泉があるように、私は思える。(松崎まこと)
【受賞・上映歴】
◇受賞◇
第5回新人監督 映画祭短編部門グランプリ
◇ノミネート◇
カナザワ映画祭2019
神戸インディペンデント映画祭
ニューシネマウィーク東京
福岡インディペンデント映画祭
【監督プロフィール】
初の監督作品『山田』(2019)で新人監督映画祭短編部門グランプリを獲得。 カナザワ映画祭をはじめ、各地で上映される。 続く『ホモ・アミークス』(2023)は下北沢映画祭でグランプリを受賞し、田辺・弁慶映画祭、ぴあフィルムフェスティバルなどでも上映された。田辺・弁慶映画祭でグランプリを含む5冠を受賞、5月9日からテアトル新宿・梅田にて公開決定。
【キャスト】
イワム、辻智輝
【スタッフ】
監督・脚本・編集:馬渕ありさ
撮影:北村竜大 録音:内藤悟 音楽:小野真彩
● 作品 『大晦日』 17分/2022 監督 瀬浪歌央


瀬浪歌央 監督
【あらすじ】
とある12月31日、大晦日。
京都に住むナナホは、大晦日を実家で迎える。
夜、親戚たちが集っているが、ナナホは京都の街に出て行く…。
【紹介文】
生まれ育った地を離れて暮らし、お盆や年末年始などに帰省してみると、ずっと自分のものだった筈の場所や人間関係が、かすかに軋み始めている…。そうした経験をされたことがある方は、きっと少なくないと思う。
本作のヒロインは、そんな微妙なズレに違和感を覚えて若干凹みつつ、よりによって大晦日。故郷である京の町を、徘徊することとなる。その姿からは、「もののあはれ」さえ感じられる。
主演・大塚奈々穂の、ニュアンスをしっかり掴んだリアルな芝居には、今回も感心させられた。今作で彼女のファミリーを演じるほとんどが、実際に彼女の家族や親戚なのだというが、そうした座組を採ってフルに活かしてみせた、瀬浪歌央監督の大胆さにも唸らされた。
「月イチ」でもグランプリに輝いた『パンにジャムをぬること』(2019)をはじめとする監督&主演コンビは、今作でも絶妙なコンビネーション。吉田大八監督をゲスト審査員に迎えた今年の「熊谷駅前短編映画祭」では、今作の大塚に、“俳優賞”が贈られた。(松崎まこと)
【受賞・上映歴】
第17回札幌国際短編映画祭 入選
第2回熊谷駅前短編映画祭 優秀賞・俳優賞
【監督プロフィール】
愛知県出身
1997年生まれ、愛知県出身。 京都造形芸術大学映画学科(現・京都芸術大学)卒業。 鈴木卓爾監督『嵐電』(19)に助監督として参加。初監督作品『パンにジャムをぬること』(2019/24分)は第1回SAITAMAなんとか映画祭準グランプリ受賞 、GYEONGGI FILM SCHOOL FESTIVAL 2019 Asian Student Filmsなどに選出された。 初長編作品『雨の方舟』(2020/70分)はskipシティ国際Dシネマ映画祭2020長編部門等に選出され、その後池袋シネマ・ロサで劇場公開した。
【キャスト】
大塚菜々穂、上村妹子、竹内櫻
【スタッフ】
撮影・照明:藤野昭輝 / 録音:植原美月、西垣聡美 / 助監督:川﨑涼香 / 編集:鶴尾一陽
● 作品 『23通のありふれたラブレター』 13分/2023 監督 仲村淳


仲村淳 監督
【あらすじ】
ある女性が唯一残していた、恋人との思い出。
それは、結婚式の前日まで届いた23通のラブレター。
語らなかった真実と、語られた少しの事実。
世界の片隅に2人が存在したことの記録と記憶。
【紹介文】
結婚を前に、ある男性が婚約者に宛てたラブレターが、23通。それらの手紙に籠められた、シンプル且つ鮮烈な“愛”の表現は、送った側と送られた側の秘め事として、本来完結すべきものだった。80数年の時を経て、いま私たちが目にすることなど、もちろん想定されていなかった…。
ところがそれが、若くして戦地で無念の死を遂げた男性が、確かに生きていた証となる。当時としては驚くほど開明的でフェミニストであった彼が、妻となる女性に捧げた想いは、疑う余地がなく存在していたのである。
2人の間に生まれた子どもたちには、父との思い出が存在しない。しかしこの男女の“愛”があったからこそ、その孫に当たる仲村淳監督へと命は繋がれ、この作品は生まれ出た。
世界で戦禍が絶えない今、私が審査員として参加した昨年の「東京ドキュメンタリー映画祭」では、優れた“反戦ドキュメンタリー”である『23通のありふれたラブレター』を、短編部門の“準グランプリ”に選出した。(松崎まこと)
【受賞・上映歴】
横濱インディペンデントフィルムフェスティバル2023ドキュメンタリー部門「優秀作品」
第22回 中之島映画祭「優秀作品」
東京ドキュメンタリー映画祭2024 短編部門 「準グランプリ」
【監督プロフィール】
日大芸術学部卒 映像ディレクター・演出家としてフリーで活動
フジテレビ「ザ・ノンフィクション」
BSフジドキュメンタリー BS日テレ紀行ドキュメンタリーほか演出
短編ドキュメンタリー
「LIFE GOES ON」
2022横濱インディペンデントフィルムフェスティバル優秀作品
【スタッフ】
監督・撮影・編集 仲村淳
●予告編
■ 閉会式 ■ 17:10