第83回 TOKYO月イチ映画祭 2024年6月9日(日) 12:50~

■ 前回グランプリ作品上映 ■(無料)12:50~

● 前回グランプリ作品 『再演』 24分 監督 土屋哲彦

【受賞・上映歴】
ロサンゼルス国際短編映画祭 下北沢映画祭 別府ブルーバード映画祭 福井駅前短編映画祭
オムニバス映画「HAKUSHI PROJECT」としてケイズシネマほかで劇場公開

【解説】(岩崎)
常連グランプリの土屋哲彦監督、久々の登場です!冒頭の掴みからもう完璧です。傑作の予感しかしません。
エモいです。エモーションで突っ走っていくパワーに、構成の妙がさらにプラスされ深化した感じです。演者=表現者の挫折、苦悩が、実際に演じる方々の歩みや人生とダブり、凄いハーモニーを生み出していきます。

【あらすじ】
葬式で十年ぶりに再会した、元演劇部員たち。彼らの手元には死んだ同級生が遺した一冊の脚本。それは高3の秋、演劇祭が中止になったあの日を再現した物語だった。それぞれが抱える後悔を胸に、彼らがとった行動は…?

【監督プロフィール】
2007年に映画「梨の花は春の雪」(AMDアワード受賞)で監督デビュー。以降MVやドラマの演出に携わる。
映画「闇金ドッグス」がヒット&シリーズ化。「RUN!-3films-」「惡党と物書き」などの映画を手がける一方、近年はAmazonオリジナルドラマからプラネタリウム作品、数多くのTVCMを演出するなど色々なジャンルで活動中。

【CAST】
中村更紗 卯ノ原圭吾 園山敬介 堀さやか 鈴木タカラ かんた 宮寺貴也

【STAFF】
脚本:山本タカ/土屋哲彦 撮影:室井大地 照明:西野哲雄(JSL)
録音:蓬田智一 音効/MA:西川良 音楽:大川カズト 音楽プロデューサー:田口大善

■ Aプログラム■(有料)13:50~

●グランプリ受賞作品 『鳥も死にきれないよ』 10分 監督 山村もみ夫。

【受賞・上映歴】
第3回 唐津演屋祭 銅賞受賞/ 第8回 立川名画座通り映画祭 審査員特別賞受賞/ 福井駅前短編映画祭 2023 優秀賞/
那須ショートフィルムフェステイバル 2022ノミネート/ 神戸インディペンデント映画祭 2023ノミネート/ 第1回熊谷駅前短編映画祭 優秀賞
第1回熊谷駅前短編映画祭 俳優賞(橋龍さん)/ つくばショートムービーコンペティション2024ノミネート

【あらすじ】
日下美紀が働く喫茶店は、青梅駅前のビルに入っている。
ある日、美紀が屋上で煙草を吸っていると、同僚である小林が看板に描かれた鳥と会話をしている…。
青梅駅前地区市街地再開発前夜。

【解説】
TOKYO月イチ常連の山村もみ夫。監督作品!何か想像してたのと違った。いや、ななめ上を行ってた!映画的!監督名が監督名だし、出会ったときはまだ撮ってなくて別名でコメディアンだったし、画面がシットコムっぽい作りだし、演者としての延長線的にとらえてたけど、すごく映画的!アイテムや街の風景の使い方とか、構図とか、何よりも題名が凄くいい。そりゃあ鳥も死にきれないよ。(岩崎)

【監督プロフィール】
大学卒業から現在まで、フリーターとして第一線で活躍(スーパーのレジ打ち、居酒屋のホール、深夜のコンビニ等)2014年、30歳を過ぎて無職だということに焦り、現実逃避を兼ねて映像制作活動を開始。その後、数多くの映画祭で数多くの賞を受賞、したいと思っている。

【CAST】
緑川静香、橋龍さん、高村竜馬、萩原正道、山下ケイジ

【STAFF】
脚本・監督:山村もみ夫。 プロデューサー:橋龍さん、 撮影:池浦新悟 / 伴徹、 カラリスト:大田徹也、 録音:たわし、 音楽:喜安伸彦

●作品 『窓たち』 30分 監督 志萱大輔

【あらすじ】
美容室で働く朝子とその恋人でピザ屋のアルバイト、森。一緒に暮らして5年程が経つ彼らの関係は冷め切ったわけでもなく、キラキラしているわけでもなくー。そんな彼らの日常を切り取った、どうしようもないある日のお話。

【解説】
映画を作る者として、「この雰囲気を映画で表現したい」と思う事がよくある。しかしなかなかそれは難しいことでなかなか上手くいかないことが多いのだが、志萱監督は雰囲気を描く事が凄く上手くて感心させられる。男と女の間に流れているこの微妙な雰囲気が見る者に伝わってくる。この感覚は映画じゃないと味わえない気がする。これからが楽しみな監督である。

【監督プロフィール】
1994年神奈川県生まれ。日本大学芸術学部卒。監督作「春みたいだ」がPFF2017、TAMA NEW WAVE正式コンペティション部門などに入選。また海外では、Tel Aviv International Student Film Festival(イスラエル)などに出品/上映された。現在はフリーランスの映像ディレクター/エディターとしてMVやweb CMを手がける一方、自主映画制作も行い、最新作「猫を放つ」(2019)が公開準備中。

【キャスト】
小林涼子、関口アナン、瀬戸さおり、小林竜樹、里々佳

【スタッフ】
監督・脚本:志萱大輔/ 製作総指揮:松谷孝征(VIPO理事長)/ 製作:特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)/
プロデューサー:新井宏美/ 撮影:芦澤明子/ 照明:永田英則/ 録音:高野泰雄/ 装飾:高橋直人、伊藤豪真/ 編集:日下部元孝/ 音響効果:柴崎憲治/ スタイリスト:宮本祐希/ ヘアメイク:中村洋子/ スクリプター:古谷まどか/ 助監督:桑原周平/ 制作担当:飯塚昌夫/ 音楽:曽我淳一/ 音楽プロデューサー:和田亨/ 2021年/カラー/ビスタサイズ/30分/©2021 VIPO

● 作品 『デリバリー・ウォーズ』 R15+ 26分 監督 野火明

【あらすじ】
50代のフードデリバリー配達員トモオ。ある日配達先の家で出会った若い女、トメコは高校時代の初恋の女性、愛子に瓜二つだった。さらに思わぬアクシデントでトメコの全裸を見てしまったことで、配達中に妄想の世界へと迷い込む。全裸でトモオを誘惑するトメコの妄想と、愛子との思い出が交差する。二人だけの美術部の部室で彼女はヌードデッサンのモデルを志願する。トモオは興奮を抑えつつ裸の愛子をデッサンするが、若い二人にある事件が襲いかかる…。

【解説】(野火明)
恥ずかしながら私の作品を上映させて頂きます。2020年の冬、世界中の人々に襲った大事件、コロナウイルスの世界的感染拡大。多くの人々が路頭に迷う羽目になってしまった。私も路頭に迷った一人で、路頭に迷いながらも2020年の暮れから2021年の初頭に撮影し作った映画です。

【上映作品の、受賞・上映歴】
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2021 上映/ U-NEXT で配信中

【監督プロフィール】
自主映画『ダイヤモンドの月』が1992年ゆうばり国際冒険ファンタスティック映画祭ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門でグランプリを受賞。1996年商業作品『シークレットワルツ』を監督。その後『蟻が空を飛ぶ日』『女の仕事』他、多くの自主映画を監督している。月に一度の映画際『TOKYO月イチ映画祭』の主催者でもある。

【キャスト】
岩崎友彦, 豊岡んみ, 牛丸亮, いとうよしぴよ

【スタッフ】
吉田康弘(録音)/蒲生映与(スタッフ)/しんじ(ヘアメイク)/ビューティ★佐口(ヘアメイク)/松田慎介(字幕翻訳)/内田剛史(協力)

■ Aプログラム終了 15:38

■ Bプログラム開始 16:00~

● 作品 『ジャンケンカップルズ』29分 監督 三浦克巳

【あらすじ】
同棲生活をしている長崎亘と高市架奈はいつもジャンケンで物事を決めていた。だが彼女の架奈は全ての事をジャンケンで決める亘との生活に虚しさを感じていた。ある日、亘の弟の淳が2人の住む部屋に泥棒に入る。そして帰宅した架奈と鉢合わせしてしまうのだが・・・

【解説】
開巻間もなく登場する、タイトルそのままの主役のカップルのやり取り。さては「コメディ展開?」と思わせるのだが、どうもそんな雰囲気ではない。やがて闖入者が現れることでカップルの関係は問われ、物語は意外な方向へと流れていく…。
三浦克巳監督作品の特徴を一言で表せば、「不穏」。大学時代に製作された本作を起点として、彼の作品はいずれも、一見粛々と進む物語の中に、常軌を逸した“何か”が潜んでいる。
説明過多を避けた演出の中で、そうした「不穏」な空気が徐々に画面を支配していく様を、目撃していただきたい。(松崎まこと)

【上映作品の、受賞・上映歴】
AOYAMA FILMATE 2017 グランプリ/ 第四回新人監督映画祭  ノミネート/ あしたのSHOW 配信

【監督プロフィール】
1995年生まれ。
第14回田辺・弁慶映画祭で初長編作品「親鳥よ、静かに泣け」がTBSラジオ賞を受賞。翌年、新作の「春にして頬を拭う」と共にテアトル新宿他にて劇場公開される。

【キャスト】
巴山祐樹, 関根愛, 千田卓也, 古川博巳, 内海敦,

【スタッフ】
撮影・照明 福田将也/ 録音 甲田悠馬・京塚充広/ 制作 末次優希・大平飛翔/ 編集 三浦克巳/ 撮影助手・メイク 香坂あいせ

●作品 『リタ・ジェイ3度目の喪失』25分 監督 大倉寛之

【あらすじ】
イラストレーターで美術学校の講師を務めるリタ・ジェイは、45歳の誕生日の朝、星占いで”みっつうしなう”という不吉な運勢を目にする。いったい何を失うというのだろうか? 心配性なリタ・ジェイの不安な1日が始まる。

【解説】
ある映画祭で本作を観たのだが、他のノミネート作品にはない、純粋に映画作りを楽しんで、自分が面白いと思う事を正直にやっているという気がした。それが観ていて凄く気持ち良かった。それとなんともいえない独特のユーモアとペーソスの感じもなかなか良かった。その映画祭では賞は取れなかったのだが私的にはその映画祭のグランプリ作品よりも全然面白かった。最近の自主映画が忘れている自主映画の良さを感じる作品です。(野火)

【上映作品の、受賞・上映歴】
・第1回大牟田映画祭 入選(2023年11月開催)
・第4回SAITAMAなんとか映画祭 入選(2024年3月開催)

【監督プロフィール】
1971年生まれ。大阪府出身。
2020年より自主制作映画の監督を始める。
登場人物の感情の動きが感じられるようなヒューマンドラマや、愛と憎悪、喜びと失望などが表裏一体となって展開するコメディタッチの作品を得意としている。

脚本・監督作品
「あたおかあさん」(2020年12月発表)
「あめはな~Apiril Showers , May Flowers」(2021年11月発表)
「リタ・ジェイ3度目の喪失」(2022年11月発表)
「東京ブラッディベリージュース インシデント」(2023年3月発表)

【キャスト】
インコさん(リタ・ジェイ), 原田 えりか, 加藤 エン, 加藤 亜祐美

【スタッフ】
脚本 / 監督 大倉 寛之, 助監督 坂部 敬史, 撮影監督 稲村 樹, 音楽 加藤 亜祐美

● 作品 『LOVE WATER FIRE』 33分 監督 碧嵐澄士

【あらすじ】
歌を失ったミュージカル女優は、訪れた海街で自身の源と邂逅する。
突発性難聴に襲われたマキコは、強度の耳鳴りも重なり歌が紡げない。
聴覚細胞は10日程で死滅してしまう事を知ったマキコは、
前衛的な海洋療法を行う医師リョウの記事を頼りに、診療所があるという海街へ旅立つ。
幼い頃から踊りが歓びだったマキコ。
しかし踊りを嫌う父に褒めてほしい一心で、自分の好きを抑え歌の稽古も始めた少女時代。
これまでを想い起こしながら治癒への希望を抱き到着した海街だったが、
すでにリョウは治療を行っていなかった。両耳を失聴していたのだ。

【解説】
監督の名は“碧嵐澄士”と書いて、“アラン・スミシ”と読ませる。多くの映画ファンがご存じのように、“アラン・スミシー”というのは、ハリウッド作品で製作中にトラブルが起こり、監督名がクレジットできなくなった際にやむなく使用された、架空の映画監督の名前だ。
21世紀に入ってからは使われることがなくなった、こんな名前で初めての監督作品をリリースするとは!どれほど舐め腐った輩でどんなフザけた作品かと構えて鑑賞すると、主演に俳優・監督で振付師でもある加藤紗希を頂いて、映像から音響面の演出まで、至って真摯に作り上げられた作品であることに吃驚させられる。
タイトルに並ぶ「LOVE=愛」「WATER=水」「FIRE=火」は、監督がこよなく愛するものを3つ並べて、もちろん内容的にもそれに沿った内容となっている。
何はともかく正体不明、謎めいた“碧嵐澄士”の世界を、堪能していただきたい。(松崎まこと)

【上映作品の、受賞・上映歴】
田辺・弁慶映画祭 京都国際映画祭 神戸インディペンデント映画祭

【監督プロフィール】
映画美学校出身

【キャスト】
加藤紗希 石山優太 稲生遼 大西諒 梅澤舞佳

【スタッフ】
中田森也 寺西涼 三村一馬. 玉井裕美 矢野恭加

■ 閉会式 18:25~