第90回 TOKYO月イチ映画祭 2025年1月12日(日)

■ 前回グランプリ作品上映 ■(無料)12:50~

● 作品『ミヌとりえ』 26分/2022 監督 全辰隆

【あらすじ】
亡くなった祖父が残した手紙を携え、韓国の群山という町にやって来た日本人のりえ。
群山は祖父の故郷であり、昔建てられた日本式家屋がまだ残っている町である。りえは祖父が書き残した手紙の受取人である木村敬子という人を探そうとする。
しかし手紙に書かれていた住所は古い住所であったため、簡単には見つからない。
それに木村敬子という人物がまだその住所に住んでいるのかも分からない。
それでもりえはゲストハウスで出会った韓国人の青年ミヌの助けを借りながら、手紙を届けるために木村敬子という人物を探して歩き回る。
そしてりえは、日本の統治時代に群山に暮らしていた祖父の秘密を知ってしまう。

【紹介文】
昨年から日本各地の映画祭を席巻している本作には、私も鑑賞の度に深い感銘を受けている。
タイトルになっている韓国と日本の若い男女の出逢いが、植民地時代の朝鮮半島に於ける、不幸な記憶を呼び起こす。2人はそれにどう対峙するのか⁉︎
ネットで「真実を知った」などと真顔で言う、〇〇な人々が増え、社会に深刻な分断がもたらされている昨今だが、“壁“を乗り越えるために必要なのは、やはり人間同士の真摯なつながりであることを、本作は微かなラブストーリーの中で、力強く描き出す。
こうした出逢いの物語を通じて、それが観客の中にも“何か”を生み出すことこそが、まさに「映画の力」なのである。(松崎まこと)

【受賞・上映歴】
-ジャパンワールド映画祭 2022グランプリ・観客賞・脚本賞
-Sinchon Image Festival 2022 (韓国)グランプリ
-山形国際ムービーフェスティバル 2022グランプリ
-東京インディペンデント映画祭 2022準グランプリ
-Larkspur International Film Festival 2023 (韓国)脚本賞
-唐津演屋祭 2023銀賞・観客賞
-Love & Hope International Film Festival 2023 (バルセロナ)Best International Short Film
-ちば外房映画祭 2023グランプリ
-沖縄NICE映画祭2024グランプリ
-北海道国際映画祭2024 短編グランプリ
-福岡インディペンデント映画祭 短編優秀賞

【監督プロフィール】
秋田県秋田市出身、在日韓国人3世。ソウル国立大学スペイン語スペイン語文学部 卒業
韓国芸術総合学校 専門社(修士課程)映画科 演出専攻 卒業
高校生の頃に韓国語を学ぼうと韓国映画を見ているうちに映画を好きになる。 秋田高校を卒業後、韓国語と韓国の文化を学ぶため渡韓。その後ソウル大学に進学、自ら映画を作りたいと思い、在学中に映画サークルに加入し映画制作を始める。 本格的に映画制作を学ぶため、韓国芸術総合学校へ進学し映画演出を専攻する。現在は東京在住。
フィルモグラフィー
短編映画 “国道7号線”(30分/2024), 脚本/演出
短編映画 “父の写真”(9分/2021), 脚本/演出
短編映画 “客観的恋愛談”(21分/2020), 脚本/演出
短編映画 “韓国式” (10分/2018), 脚色/演出
短編映画 “窓の外のソウル”(8分/2016), 脚本/演出

【キャスト】
りえ:イ・チス
ミヌ:ペク・ゴニ

【スタッフ】
監督/脚本 全辰隆 (チョン・ジニュン)/撮影:チョ・ソンウ/照明:イ・ヨンイン/美術:イ・ジョンア/編集:ク・ユンジュ/レレオーディンミキサー:ホン・スルギ/音楽:ノ·ヨンシム

予告編

■ Aプログラム ■(有料)13:50

● 作品 『不当な賃金 憂鬱な彼女』 10分/2024 監督 山村もみ夫。

【あらすじ】
小林は、職場の後輩である森川が憂鬱な表情をしていたので、話を聞くことに。
躊躇しながらも話し始めた森川の言葉は、小林にとって俄かには信じられないものだった…。

【紹介文】
男女の賃金格差が社会問題になっている。日本は先進国の中でも男女の賃金格差が大きい方らしい。男と女は平等にしなければならないと、かなり昔から言われてきたが、まだまだ平等には遠いらしい。『不当な賃金 憂鬱な彼女』は男女の賃金格差をテーマにした映画である。あの、笑いを追求し続けた、山村もみ夫。監督がついに社会問題をテーマにした映画を撮ったのか??男女の賃金格差問題をどのように映画にしたのか??山村監督は社会派監督になってしまうのか??とにかく乞うご期待である。(野火明)

【受賞・上映歴】
第10回立川名画座通り映画祭 審査員特別賞

【監督プロフィール】
大学卒業から現在まで、フリーターとして第一線で活躍(スーパーのレジ打ち、居酒屋のホール、深夜のコンビニ等)2014年、30歳を過ぎて無職だということに焦り、現実逃避を兼ねて映像制作活動を開始。その後、数多くの映画祭で数多くの賞を受賞、したいと思っている。

【キャスト】
かきあげ畑三朗
とみかほ
仲田天使。

【スタッフ】
脚本・監督:山村もみ夫。

● 作品 『ルサンティール』16分/2024 監督 小原正至

【あらすじ】
1932年のパリ。いつもの喫茶店で顔を合わせる日本人の麗之進と、フランス人のルイーズ。
言葉を交わす事はないが、いつも身近な存在だと感じていた二人。
ある時、麗之進がルイーズに近づき、フランスを離れなければならないと伝える。

【紹介文】
1000年後の世界を描いた『THE ANCESTOR』地球では無いどこかの惑星の宇宙飛行士を描いた『AYESHA』と、SFアニメーションを手書きでコツコツと作っている小原正至監督の最新作。しかも今度は1932年のパリが舞台で、登場人物も普通の人間だ。しかし油断してはいけない。小原監督の映画は観る者の想像を常に超えてくるのだ。
今回はロトスコープアニメーションという手法をとったそうだ。昔のディズニーアニメでよく使われていて、役者が演じているところを撮影してから、その映像をトレースしてアニメにするという手法である。なんと『ホモ・アミークス』の馬渕ありさ監督が本作のヒロインを演じているとのことである。馬渕監督の演技も注目である。
この映画、ネタバレするといけないので言えないことが多いのだが、タイトルの『ルサンティール』はフランス語で「感じる」という意味なのだが、ただ感じるのでは無く「より深い部分で感じる」というニュアンスがあるらしい。これが少しヒントになっている気がする。
美しいアニメーションと想像を超えるストーリーで描かれた映画も凄いし、コツコツと長い時間をかけて作り上げる小原監督も凄いと思う。是非観てください!(野火明)

【受賞・上映歴】
St Andrews Film Festival(スコットランド)ノミネート

【監督プロフィール】
2011年から手描きアニメーションを制作。
2014年「ソラトブマチ」リリース
2018年「THE ANCESTOR」(アニメ)
2019年「AYESHA」(アニメ)
2022年 おかあさんといっしょ「ファンターネ!」(OPアニメーション)
2022年「時には昔の話を/森山周一郎 声優と呼ばれた俳優」劇場公開

【キャスト】
岡田麗之進(声・演):金子貴伸/ルイーズ(声):中井ノエミ/ルイーズ(演):馬渕ありさ/ハンター(声):ラッセル・トッテン/ハンター(演):バーガー長谷川/ナレーション:米倉リエナ

【スタッフ】
監督・脚本・アニメーション:小原正至/アニメーション協力:平岩和美/音楽:秋山裕和
録音:尾立昌典/翻訳:サミハ・アンワー

予告編

● 作品 『網戸』 15分/2023 監督 中江伶乙

【あらすじ】
晃一の住むアパートに綾がやってくる。外れてしまった晃一の部屋の網戸。綾はそれを直すために来たようだ。今まで何度も網戸を直してきた綾だが、晃一の引っ越しを前日に控えた今日は、どうにもうまく網戸がはまらない。

【受賞・上映歴】
早稲田大学法学部卒業後、映画配給会社で映画宣伝業務等に携わったのち退社し、映画美学校フィクションコースに入学。2022年に同コース高等科を修了後、映画制作を続ける。

【監督プロフィール】
早稲田大学法学部卒業後、映画配給会社で映画宣伝業務等に携わったのち退社し、映画美学校フィクションコースに入学。2022年に同コース高等科を修了後、映画制作を続ける。

【キャスト】
烏森まど 小松遼太

【スタッフ】
撮影 林和寿
照明 町田智哉 前川季哉
録音 色川翔太 稲生賢哉
助監督 前田航希 余園園

予告編

■ Bプログラム ■(有料) 15: 35 

● 作品『勝手口の少女』 30分/2024  監督 山本十雄

【あらすじ】
中学2年生の謙一は、母・博子から日常的に虐待を受けていた。ある日の夕方、なじられた謙一がはっと我に返ると、階下で倒れて動かなくなった博子の姿が目に飛び込んでくる。その夜、女のすすり泣く声に導かれた謙一は、勝手口で泣いている見知らぬ少女に出会う。

【監督プロフィール】
1989年 富山県生まれ。信州大学大学院理工学系研究科建築学専攻修了。建築系出版社を退職後、映画美学校フィクションコース21期に入学し、映画制作の基本を学ぶ。修了制作の短編『灰の蛇』が西東京市民映画祭自主制作映画コンペティションにて、優秀作品賞を受賞。

【キャスト】
斎藤汰鷹、石田莉子、山田浩市、黒沢あすか

【スタッフ】
製作総指揮:松谷孝征(VIPO理事長)/製作:特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)/プロデューサー:杉崎隆行/ラインプロデューサー:淺野道啓/音楽プロデューサー:安田裕司/音楽:後藤沙希乃/撮影:栢野直樹/美術:平井淳郎/照明:田中利夫/録音:高野泰雄/整音:小笠原良汰/音響効果:原 虹歩/編集:柳澤和子/スクリプター:北濱優佳/衣装:黒羽あや子/ヘアメイク:佐藤法子/俳優担当:林茉結子/助監督:大野伸介/制作担当:田中和則/作家推薦団体:映画美学校/制作プロダクション:東映東京撮影所

● 作品 『うそを折る』 5分/2023 監督 佐藤宏樹

【あらすじ】
孤独死した祖父を発見した青年は、祖父と喧嘩別れしていた母にその死をどう伝えるべきか迷う。

【紹介文】
5分の尺で少人数のキャストとスタッフ。場面も少ない。制作費もあまりかかっていないように見える。しかし面白い!不思議な感動を覚えた映画。
このような映画を見ると自主映画はまだまだ捨てたもんじゃないと思ったりする。しっかりとした起承転結がある脚本が素晴らしい。最近は若いアイドルのような人が出ているアイドル自主映画が人気のようだが、本作のような作品をもっと注目してほしいと思ったりする。是非観てほしい映画です!(野火明)

【受賞・上映歴】
第9回立川名画座通り映画祭 グランプリ
富山映像大賞2023 特別審査員賞
SSFF & ASIA 2024 NEO JAPANプログラム入選

【監督プロフィール】
栃木県出身。映像制作のフリーランスとして活動。

【キャスト】
清田悠聖
範多美樹

【スタッフ】
佐藤宏樹
清田悠聖
平山紫誉

● 作品 『幸福指数』 9分/2024  監督 西井舞

【あらすじ】
不幸続きのノブは、厄払いに行った神社で幸せにして欲しいと願うと、人々の頭上に謎の数字(幸福指数)が見えるようになる。
幸福指数100でも情緒不安定なカオリ、幸福指数-20でも不満なく生きているオジサンとの出会いの中で、ノブなりに幸せとはなんなのかを考えていく。

【紹介文】
TikTokが凄い人気で縦型の動画がはやっている。映画を作る者たちも縦型動画について真剣に考えなくてはならないのでは無いかと思う今日この頃、ある映画祭で観て、縦型でありながら、ちゃんと映画らしい映画で面白い。と思ったのが本作。
映画は横位置基本という概念があるが、写真の世界では縦位置は普通である。縦の構図は横の構図では表現できない事を表現できる。それで写真家は縦、横、構図を使い分ける。
映画の世界でも縦構図が使えるようになった事は、表現の幅が増えたということで、これはかなり画期的な出来事では無いかと思う。
『幸福指数』は宮崎県延岡市にクリエイターが滞在しながら、縦型のショートムービーを制作するという企画「コネクリ延岡」に参加して制作されたとのこと。
縦構図に適した物語にしているところも凄いアイディア。
ストーリーもなかなか考えさせられ、しっかりとメッセージもあり、そのあたりも良かった。縦型でもしっかりメッセージがあり、ちゃんと創意工夫して作ればちゃんとした映画になると思った作品です!(野火明)

【受賞・上映歴】
Connect & Create NOBEOKA Movie Festival グランプリ/第10回立川名画座通り映画祭 グランプリ、文部科学大臣賞/おいしい映画祭 グランプリ、優秀賞/第24回蓼科高原映画祭  一般審査員賞/第2回 日本映画祭(クロアチア) BEST JURY賞/知多半島映画祭 助演俳優賞、優秀賞/ ショードラアワード授賞式 クリエイター部門 ノミネート / SSFF & ASIA 2024 ジャパン/ライブアクション部門 ショーリスト/Clay’s Film Festival 2024/相生なぎさ短編映画祭/ TOKYO青春映画祭2024/フィルムフェスト・アキヅキ2024 ※上映/渋谷佐世保短編映画祭 渋谷 Firstselect/ Kisssh-Kissssssh映画祭2024/大牟田映画祭2024 ※上映/タカマチ映画祭2024 /那須ショートフィルムフェスティバル2024

【監督プロフィール】
大阪生まれ・埼玉育ち・東京就職・現在は福岡在住。
現在はフリーランスのCMディレクター/プランナー。

【キャスト】
門田 樹
坂口 瑛美
川越 博
土肥 英子

【スタッフ】
撮影監督/西岡 空良
撮影助手/大西 恵太
録音・整音/久保 琢也
合成/門田 樹
選曲/島崎 早月
タイトルロゴデザイン/佐野 あゆみ

●予告編

■ 閉会式 ■ 17:20

チケット料金
・各プログラム:800円(A,B共通)
・1dayフリーパス:1,400円
注:会場は45席です。満席になりますと入場出来なくなりますのでご注意ください。席はすべて自由席です。

会場:ワイルドファイア・スタジオ
九段下駅から徒歩5分
東京都千代田区西神田 3-3-12 西神田YSビルB-1

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