第88回 TOKYO月イチ映画祭 11月10日(日)
今回も見ごたえのある作品ばかりで楽しい映画祭になりました!
観客の皆様、監督、関係者の皆様ありがとうございました!
グランプリは『うまれる』田中聡 監督がみごと受賞いたしました。おめでとうございます!
■12:50~ 前回『TOKYO月イチ映画祭』グランプリ作品特別上映(無料)
● 作品 『still dark』 40分/2019 監督 髙橋雄祐
【あらすじ】
料理人を志す盲目の青年ユウキはとあるレストランのナポリタンに心を奪われる。見習いとして働き始めた
ユウキは先輩アルバイトのケンタや料理長と心を通わせながら夢と向き合う。
【解説】
障害者を演じること、そしてそのドラマを描出することとは!?
基本的な知識を学ぶのは、最低限。それはあくまでも属性や記号であって、そこからその人物の“本質”を浮かび上がらせる必要がある。それが出来なければ、単なるお涙頂戴になりかねない。
本作のような盲目の主人公の場合、時にはその人物が「見えない」ということを忘れてしまうほどに。そこまで描けてこそ、ドラマも納得がいくように動き出す。
髙橋雄祐監督が、自らの主演で描いたのは、『still dark』≒まだ暗闇、でも陽が明けるのを待ち望み、突き進む若者の物語である。
私は、5年ほど前の初見時から、何度観ても胸を打たれる。(松崎まこと)
【受賞・上映歴】
「ええじゃないかとよはし映画祭2021」グランプリ
「第20回TAMA NEW WAVE」 ある視点部門
「ニューシネマウィーク東京2020」特別賞
「杉並ヒーロー映画祭2019」観客賞、主演俳優賞
「第五回新人監督映画祭」ノミネート
【監督プロフィール】
髙橋雄祐(たかはしゆうすけ)
2016年より俳優として活動をはじめる。2019年公開の『あいが、そいで、こい』(柴田啓佑監督) で映画初主演。2021年公開の『僕たちは変わらない朝を迎える』(戸田彬弘監督) や2024年公開の『初めての女』(小平哲兵監督) で主演を務める。
他にも『無頼』(井筒和幸監督) や『福田村事件』(森達也監督) などさまざまな作品に出演している。
【キャスト】
髙橋雄祐 小谷けい 永田健
【スタッフ】
監督・脚本:髙橋雄祐
助監督:向悠一
撮影・編集:仁宮裕
録音:黒石光也
音楽:Outskirt
【予告編YouTube】
■ Aプログラム ■(有料)14:05~
● 作品 『VR職場』 27分/2019 監督 高島優毅
監督 高島優毅
【あらすじ】
そう遠くない未来の日本。増え続けるニートの就労支援を行うべく開発されたスマホゲーム「VR職場」は、理不尽もコンプライアンス違反もない安全なオフィスで、優しいAIの同僚たちと働きながら社会復帰を目指すことができるという画期的なゲームだった。だがある日、ゲーム内のキャラ「岩城課長」がプレイヤーに向かってパワハラを起こすという”バグ”が発生してしまう。開発チームは一刻も早い岩城の”修正”を命じられるが……
【推薦文】(野火)
メチャクチャ笑えるコメディなのだが、「コンプライアンス」の問題をかなりしっかり描いてるところも凄いと思った。その矛盾と偽善をブラックな笑いで描いている。社会問題をブラックな笑いで切っていくようなところが面白い。こういう映画もっとあればいいのにと思う。自分もこういうの撮りたくなってしまう。是非観てください!!
【受賞・上映歴】
・「渋谷TANPEN映画祭CLIMAXat佐世保」ゴールデンバーガー賞(グランプリ)
・「映文連アワード」パーソナルコミュニケーション部門 優秀賞
・「第40回 ハワイ国際映画祭」Official Selection
・「Japan Cuts Hollywood」Official Selection
など
【監督プロフィール】
テレビ局、ネット動画ベンチャー企業を経て2018年からフリーランス。
企業のYouTubeチャンネルの運営・制作・監修を主に行いつつ、時折短編映画を制作。
【キャスト】
森準人、成松修、田口智也、白石勇、北口美愛、木村圭介、矢島康美、山田桃子、高木健、齊藤英里
【スタッフ】
監督・脚本・編集:高島優毅 / 撮影:福田陽平 / 録音:音響効果:小牧将人
【予告編】
● 作品 『あたらしい世界』 8分/2023 監督 村口知巳
監督 村口知巳
【あらすじ】
6月の晴れた日、カナメは、ある決意を持って昔の親友たちを荒野に呼び出す。しかし、そこへやって来たのはフクたった一人だけだった。
【推薦文】
ある短編映画だけの国際映画祭のノミネート作品を観まくって見つけた作品。
映画祭の多くの作品はテレビドラマのように分かりやすくて、よくある悩みをテーマにして、よくある答えを出して終わる作品が多い気がする。正直映画的な面白さを感じる作品は少なかった。その中でも『あたらしい世界』は、まぎれもなく映画として光り輝いていたのだ。何か説明の出来ないようなあたらしい感覚を感じる事が出来た映画である。答えは出せなくてもいいと思う。感じることが大事なのだと、あらためて思わせられた。是非観て感じてほしい作品です!(野火)
【受賞・上映歴】
・第15回下北沢映画祭ノミネート
・夜空と交差する森の映画祭2023上映
・第18回札幌国際短編映画祭ジャパンパノラマノミネート
・鶴川ショートムービーコンテスト2023準グランプリ
・第7回渋谷TANPEN映画祭CLIMAX at佐世保ノミネート
・第29回函館港イルミナシオン映画祭ショートムービーコンテストノミネート
・Seicho Cinema Fes 7th ノミネート
・ダマー国際映画祭2024ノミネート
・ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2024ノミネート
・カメラジャパン・フェスティバル2024上映
・那須ショートフィルムフェスティバル2024ノミネート
【監督プロフィール】
香川県出身。2017年に伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞でグランプリを受賞。受賞作を自ら監督したのをきっかけに、本格的に映画制作を開始する。同作がショートショートフィルムフェスティバルにノミネートされるなど、その後も精力的に映画制作を続け、杉並ヒーロー映画祭グランプリ、アジアン・アメリカン国際映画祭、札幌国際短編映画祭ノミネートをはじめ国内外の映画祭にて高い評価を得ている。
【キャスト】
フク:名古屋愛 / カナメ:田中陸
【スタッフ】
脚本&監督:村口知巳 / 撮影:磯辺康広 / 録音:細川武士 / ヘアメイク:Rico / 衣装&制作:深見はまる / 制作協力:かおり
【予告編】
● 作品 『うまれる』 33分/2021 監督 田中聡
監督 田中聡
【あらすじ】
安川良子の娘の安川裕美(小学五年生)は天然パーマなのでクラスメイトからいじめられていた。
床屋を経営する良子は忙しく、娘が髪の毛のことでいじめられているのを知りながらも何もしなかった。
そんな折、娘の裕美が崖からの転落事故で亡くなった。
娘がいじめられているのを知っていた良子は、事故を疑い、いじめが原因で亡くなったと訴える。
あるきっかけで全ての真相を知った良子は、娘をいじめた奴らに復讐をするのだろうか。
【紹介文】
衝撃です、、、何も言えません。ものすごいド直球、熱量。暴力はいけないとか復讐は何も生まないとかそんな薄っぺらいことはとても言えない。いつもシニカル、スノッブな田中監督が「いじめは本当に許せない、、、」と淡々と語っていたのを思い出します。(岩崎)
【受賞・上映歴】
山形国際ムービーフェスティバル2021 観客賞・審査委員特別賞
東京インディペンデント映画祭2022 準グランプリ
神戸インディペンデント映画祭2021 準グランプリ
第2回宮古島チャリティー国際映画祭 短編部門グランプリ
第4回広島こわい映画祭 グランプリ
滋賀国際映画祭2022 優秀賞
第12回オイド映画祭 オールキャスト演技賞
おおぶ映画祭2022 セレクト作品
第1回パルマ短編映画祭 審査員特別賞
沖縄NICE映画祭2022 特別賞
第14回福岡インディペンデント映画祭2022 優秀作品
第1回とよたおいでん映画祭 招待作品
2022南房総さざなみ映画祭 招待作品
ハンブルク日本映画祭2023 特別推薦作品
日本芸術センター第13回映像グランプリ 入選
杉並ヒーロー映画祭2021 入選
はままつ映画祭2022 入選
FilmQuest 2022 / Best Foreign Short (最優秀外国語短編映画賞)
など
【監督プロフィール】
CMディレクター。CMを中心にPVや短編など多数監督。
CMでは国内外多数の広告賞を受賞。
短編『うまれる』は国内外映画祭14冠。
短編『ひどくくすんだ赤』はロングラン上映達成。
【キャスト】
安藤瞳、保亜美、渋谷はるか、小暮智美、吉田久美、尾身美詞、宮山知衣、ほか
【スタッフ】
脚本・監督:田中聡/ 撮影:松石洪介/ 美術:高橋努/ 特殊メイク:石野大雅 / 録音:村上祐司 / 編集:酒井よう / VFX:北嶋順
【予告編】
■ Bプログラム ■(有料) 16:20~
● 作品 『Perfume』 23分/2019 監督 岩崎友彦
監督 岩崎友彦
【あらすじ】
図書館で働くミツコのもとにある日、彼女の匂いを嗅ぎだす男が現れた。ミツコがたまたまつけていた香水が、その男の亡き妻のものと同じで、今は入手することができないらしい。ミツコは男を寄せつけないようにするために香水をつけないようにするのだが…。
【紹介文】
司会者岩崎の作品です。
SNSの投稿で、街中である女の人が、小学生くらいの女の子にお母さん〜!とギャン泣きされ、聞けば死んだお母さんと同じ香水の匂いがしたとの事、、、というような話にヒントを得ました。コロナ禍に突入する直前の3月に撮影し終わった作品です。映画では伝わらない匂いをテーマにしました。図書館のロケ場所探しが難航した覚えがあります。図書館での痴漢行為を誘発するとかで。屋上での撮影は落っこちそうでひやひやしました。(岩崎)
【受賞・上映歴】
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020チョイス部門に選出された
【キャスト】
豊岡んみ、Kazuki、岩崎友彦
【スタッフ】
監督:岩崎友彦 / 脚本:岩崎友彦 / 撮影:吉田康弘
● 作品 『暗黒黙示録バームグーヴェン』 12分/2021 監督 松本純弥
監督 松本純弥
【あらすじ】
悪の組織・暗黒帝国バームグーヴェンの幹部たちが織りなす人間模様を描いたマイクロ短編集。人生楽あれば苦もあり。少々変わった格好をしていても、彼らもまた心ある人間なのである。
【推薦文】
2021年の『バウムちゃんねる映画祭・シーズン3』(役者事務所のバウムアンドクーヘン主催)のために作られた映画なのだが、やはり松本純弥は凄い才能の監督だと関心した作品。『さらば大戦士トゥギャザーV』という傑作の監督で、あの上田慎一郎監督の制作や助監督などもしたりしてるのだが、なぜか映画作品は少ないので、凄く貴重な作品である。
昭和のスーパー戦隊ヒーローモノをモチーフにして非常に上質なコメディ映画に仕上げている。とにかく楽しんでほしい映画です!!
【受賞・上映歴】
バウムちゃんねる映画祭・シーズン3にて上映
【監督プロフィール】
1986年生まれ、特撮好き。他の監督作品は『さらば大戦士トゥギャザーV』『悪虐怪人伝カメレオール』など。特撮好きを活かした明るい作品・真面目なドラマ作品のそれぞれを作っていくつもりです。
【キャスト】
田中博士、鈴木睦海、赤田耕哉、高村竜馬、森啓一朗
【スタッフ】
〈監督・脚本・編集〉松本純弥 〈撮影〉名倉健郎
〈録音〉吉川俊夫 〈制作・車両〉原田康平 〈特殊造形〉内田伊久
● 作品 『グッジョブ!次郎』 14分/2021 監督 山村もみ夫。
監督 山村もみ夫。
【あらすじ】
若村義男(46)の堪忍袋の緒が切れた。
息子である次郎(21)が、やっとの思いで進学させた大学を辞めると言い出したからだ。
次郎は小さな時から、勉強も、運動も、何をやらせても取柄の無い子供で、事あるごとに義男を落胆させていた。
憤慨する義男。しかしそこには、次郎なりのある思いがあった……
【解説】
2021年の『バウムちゃんねる映画祭・シーズン3』(役者事務所のバウムアンドクーヘン主催)の作品。最近、凝った撮影方法(一般的な映画の撮影方法)で撮影した映画も高い評価をうけている山村監督であるが、山村監督と言えばやはり、和室で座ってのシンプルな会話劇である。シンプルであればあるほど難しいものなのだが本作もやはりしっかり起承転結、笑えて、うまく落として、なんだか余韻もある作品に仕上げている。もはや職人技である。なかなか出来るもんじゃないのでこの作風の作品も撮り続けてほしいと思う。是非観てください!(野火)
【受賞・上映歴】
バウムちゃんねる映画祭シーズン3制作作品
西東京市民映画祭2022 シネマクラブ特別賞受賞
SeishoCinemaFes 5thノミネート
【監督プロフィール】
大学卒業から現在まで、フリーターとして第一線で活躍(スーパーのレジ打ち、居酒屋のホール、深夜のコンビニ等)2014年、30歳を過ぎて無職だということに焦り、現実逃避を兼ねて映像制作活動を開始。その後、数多くの映画祭で数多くの賞を受賞、したいと思っている。
【キャスト】
森啓一朗、高村竜馬、高木公佑、田代源起、青海衣央里
【スタッフ】
脚本・監督:山村もみ夫。/ 撮影:道川昭如 / 録音:宋晋瑞 / 録音助手:福岡陽和 / ヘアメイク:石松英恵 / スチール:中屋充史 / 小道具:吉田電話 / 書道:田中博士 /
【予告編】
■ 閉会式 18:10~