第81回TOKYO月イチ映画祭 4月14日(日)12:50~19:00
グランプリは、木川剛志 監督『Yokosuka1953』- 彼女の、記憶の中の母を探す旅- が受賞しました!木川剛志 監督おめでとうございます!
■ 前回グランプリ作品上映 ■(無料)12:50~
- 作品 『スタートライン』30分 監督 藤井 謙
【受賞・上映歴】
・第4回いぶすき映画祭 準グランプリ ・第15回田辺・弁慶映画祭入選
・第19回うえだ城下町映画祭入選 ・ハンブルグ映画祭賞受賞
【あらすじ】
アルバイトをしながら、路上ライブをして夢を追いかけている竹村果穂。そこに佐藤花鈴が現れる。ギターがうまくならない花鈴を見かけた果穂は、歌を作ってあげることにした。そして路上ライブ時に花鈴にデビューするよう促すのだが…。
【解説】
夢追い人の物語は、映画に於ける格好の題材である。そんな中でもインディーズ作品に於いて、まだ「何者でもない」若人が、何かを成し遂げようともがき苦しむ姿は、自然とその作品の、まだ「何者でもない」作り手とオーバーラップする。ストリートミュージシャンを主人公とする本作には、日頃は助監督を生業としている藤井謙監督の、夢に対する真摯にして誠実なる願いが籠められている。ヒロインに共感を覚えた者は、藤井監督の“明日”に対しても想いを馳せて欲しい。(松崎)
【監督プロフィール】
1992年8月1日生まれ 栃木県出身 日本映画大学で映画について学び、卒業後、映画、ドラマの現場の助監督を始める
【CAST】
芽衣子、湯川玲菜、折笠慎也
【STAFF】
撮影:村上拓也 / 照明:松島翔平 / 編集:上野聡一/助監督:発智新太郎 / ヘアメイク:齋藤美幸
■ Aプログラム ■(有料)13:55~
- 作品 『白昼鬼語』21分 監督 高橋 洋
【あらすじ】
ある劇団が『白昼鬼語』という芝居を上演している。主役の佳那は最近注目株の劇団員、綾子に嫉妬を抱いていた。そんな中、綾子の分身がスタジオに出没するという噂が流れる。分身はとうとう上演中の舞台にも出現した。劇団員たちはその正体をコックリさんに尋ねてみることにする…。
【解説】
谷崎潤一郎の小説を見事に翻案しています。ドッペルゲンガー、こっくりさんといったいかにも高橋ワールドらしい怪異要素が絡んできます。
毎回舞台となる映画美学校のスクリーンを利用した演出も不気味さに拍車を掛けています。(岩崎)
【監督プロフィール】
1959年生。脚本家・映画監督。脚本代表作は『女優霊』『リング』『蛇の道』『おろち』、監督作は『恐怖』『霊的ボリシェヴィキ』『ザ・ミソジニー』等。『白昼鬼語』は谷崎潤一郎の原作をベースに講師を務める高橋洋が映画美学校の受講生たちと複数監督した実習作品。
【CAST】
加藤紗希、園部貴一、廣田朋菜
【STAFF】
撮影:市川雄大、録音:安藤定和、衣装:新井ジューリア、美術:徐美玉、音楽:中島正貴、整音:内藤悟
- 作品 『片袖の魚』34分 監督 東海林 毅
【受賞・上映歴】
・32th Honolulu Rainbow Film Festival | APQFFA competition (USA/HI) ★ファイナリスト
・26th OutSouth Queer Film Festival (USA/NC) 正式招待/・Reeling: The Chicago LGBTQ+ International Film Festival (USA/IL) 正式招待
・金沢レインボーウィーク LGBTQ+ 上映会 (日本) 特別上映
・10th Pink Life QueerFest (Pembe Hayat KuirFest) (トルコ) 正式招待
・Q-Fest 2021 : 25th annual Houston International LGBTQ Film Festival (USA/TX) ★最優秀中編賞
・6th Queer Film Festival MUNICH (ドイツ) 正式招待/ ・福岡インディペンデント映画祭 2021 (日本) 特別上映
・Cyprus International Film Festival “Golden Aphrodite” 2021 (キプロス) ★最優秀モバイル賞
・26th Festival du film LGBTQ de Paris Chéries-Chéris (フランス) 正式招待
・Roze Filmdagen 25th Amsterdam LGBTQ+ Film Festival (オランダ) 正式招待
・Outfest Fusion QTBIPOC film festival (USA/CA) 正式招待/ ・16th XPOSED Queer Film Festival Berlin (ドイツ) 正式招待
・24th Fairy Tales Queer Film Festival (カナダ) 正式招待
・13th KASHISH Mumbai International Queer Film Festival (インド) 最優秀主演俳優賞 (イシヅカユウ) 、審査員特別賞
・21th Korea Queer Film Festival (韓国) 正式招待/ ・第15回 関西クィア映画祭 正式招待
・Hong Kong Lesbian & Gay Film Festival 2022 (中国) ★最優秀短編賞/ ・映文連アワード 2022 ★準グランプリ
【あらすじ】
トランスジェンダー女性の新谷ひかり(イシヅカユウ)は、ときに周囲の人々とのあいだに言いようのない壁を感じながらも、友人で同じくトランス女性の千秋(広畑りか)をはじめ上司である中山(原日出子)や同僚の辻(猪狩ともか)ら理解者に恵まれ、会社員として働きながら東京で一人暮らしをしている。
ある日、出張で故郷の街へと出向くことが決まる。ふとよぎる過去の記憶。ひかりは、高校時代に同級生だった久田敬(黒住尚生)に、いまの自分の姿を見てほしいと考え、勇気をふり絞って連絡をするのだが――
【解説】
第53回TOKYO月イチ映画祭で『老ナルキソス』でグランプリの東海林毅監督の作品、『片袖の魚』です。
まず素晴らしい恋愛映画です。一人のトランスジェンダー女性の生き方、心情、社会の中での閉塞感をきちんと丁寧に描いている。その上で、演出手法や演者の起用、ディティールなど、映像表現の効果を越えて社会への様々な問いかけが随所に織り込まれており、見る人にいろいろな事を気付かせ、考えるきっかけを与えてくれる社会的な広がりのある作品です。初公開は2021年でしたが、それから私たちは変わっていけたでしょうか。(岩崎)
【監督プロフィール】
武蔵野美術大学在学中より活動を開始し1995年東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にて審査員特別賞を受賞。バイセクシュアル当事者でもあり、商業作品を監督する傍ら、主に自主作品を通してLGBTQ+と社会との関わりを探ってきた。短編「老ナルキソス」(2017)が国内外の映画祭で10 冠を獲得、長編版をセルフリメイクし2024年に劇場公開された。「片袖の魚」(2021)では日本で初めてトランスジェンダー当事者の一般公募オーディションを行い話題となる。
【CAST】
ひかり/光輝 … イシヅカユウ/ 千秋 … 広畑りか/ 久田 敬 … 黒住尚生
辻 史夏 … 猪狩ともか/ 熱帯魚店店主 … 田村泰二郎/ 山中恵子 … 原日出子
【STAFF】
原案:文月悠光 「片袖の魚」 (『わたしたちの猫』ナナロク社刊)/
プロデューサー・脚本・監督:東海林毅/ 撮影:神田創/ 照明:丸山和志
録音・音響効果:佐々井宏太/ 美術:羽賀香織/ 衣装:鎌田歩(DEXI)/
ヘアメイク:東村忠明/ 編集・VFX:東海林毅/ 制作:清水純 牛丸亮/ 助監督:小池匠
音楽:尾嶋優/ 主題歌「RED FISH」/ 作詞:文月悠光/ 作曲:尾嶋優/ 歌:Miyna Usui/ 宣伝スチル:向後真孝
ビジュアルデザイン:東かほり
- 作品 『Le Cerveau – セルヴォ -』30分 監督 島田欣征
【あらすじ】
前川早弥は生活苦の中、最愛の息子である蒼太を必死に育てていた。しかし、蒼太は病魔に冒されてしまう。奇病であるネオン症から蒼太を助けるための生体移植手術には、投薬を続けた早弥の身体が必要だった。大事な手術を控えたある夜、早弥は事故に遇い命の危機に。目が覚めると、見知らぬ研究室に森名トウマと名乗る少年が座っていた。そして、早弥は自分が大東アキという全く違う姿になっていることに気づく。次々と起こる異常事態に困惑しながらも、息子を救うべく彼女は真相に迫っていく……。
【解説】
SFである。私はSFが大好きだ。想像力、妄想力を思う存分発揮出来るジャンルだと思う。しかし残念ながらインディーズ映画でのSF映画は非常に少ない。そしてインディーズ映画ファンはリアルな現実を描いた映画の方が好きと言う人が何故か多い
。私としてはインディーズこそ、SFやアクション映画をドンドン撮って、いろんな実験をすべきだと思っている。そういう経験が商業映画を撮るときに生きてくると思う。
『Le Cerveau – セルヴォ -』は文化庁の若手映画作家育成プロジェクトの作品であるが、このプロジェクトの中でもSFは珍しい。山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』がアメリカでヒットして、アカデミー賞で視覚効果賞を受賞しているのを見ても分かるように、SFというジャンルはとても意義があるジャンルだと思う。『Le Cerveau – セルヴォ -』は本格的なSF映画だ。SFでしか味わえないワクワク感、驚きがある。島田欣征監督にはこれからもSF映画を撮り続けて欲しいと思う。(野火)
【監督プロフィール】
1986年 東京都生まれ。大学時代に実写の撮影、編集、3DCGを専攻。イギリス留学中にファインアート、写真、VFX、グラフィックを学ぶ。
CG制作会社、デザイン会社を数社経て2013年に独立。監督として広告映像やMVを企画・演出、CGデザイナーとしても映画やCMの制作に携わる。また一方で、CGを教える大学の非常勤講師も務める。初監督作品の短編映画『宵の棒鱈』(2016) が海外や国内の映画祭に選出・招待上映。
【CAST】
田中沙依、藤崎絢己、南岐佐、八田浩司、上瀧昇一郎
【STAFF】
監督・脚本・CG:島田欣征/ 製作総指揮:松谷孝征(VIPO理事長)
製作:特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)/ プロデューサー:福島一貴
撮影:朝倉義人/ 照明:東田勇児 録音・整音:上田香奈子/ 美術:中塚拓也/ 編集:藤田和延/ 音響効果:河本敬子/ 記録:中野保子/
助監督:匂坂力祥/ 音楽:no.9/ VFXディレクター:中口岳樹/ プロデューサー補:江連丈暁/ 製作担当:芦田淳也/ ©2020 VIPO
■ Aプログラム終了 ■ 16:01
■ Bプログラム ■(有料)16:20~
- 作品 『Yokosuka1953』- 彼女の、記憶の中の母を探す旅- 60分 監督 木川剛志
【受賞・上映歴】
今回の60分バージョン
・下北沢映画祭, 観客賞, 下北沢商店連合会会長賞
長編版
・Madras Independent Film Festival, 最優秀ドキュメンタリー映画賞/・1st Monthly FIlm Festival, 最優秀ドキュメンタリー映画賞/
・New York International Film Awards, 最優秀監督賞(長編)/・Oniros Film Awards, 最優秀ナレーション賞/
・Sweden Film Awards, Winner First Documentnary Film/・門真国際映画祭, ドキュメンタリー部門優秀賞/
・東京ドキュメンタリー映画祭長編部門グランプリ/
【あらすじ】
2018年木川剛志に届いたアメリカに住むシャーナという女性からのメッセージ。木川とオンライン上でのやりとりが始まった。シャーナの母バーバラは日本名を木川洋子と言い1947年に横須賀市で外国人と思われる父と日本人の母の間に生まれた。
このような子どもたちは混血児と呼ばれ、敗戦国の日本人には敵国の血が流れる混血児として差別の目で見られ、家族でそのような子どもを妊娠した娘を勘当同然で家を追い出すようなそんな時代だった。
洋子も過酷な環境で育ち1953年米兵に養子縁組されわずか5歳で渡米した。それから66年日本に帰る事も母と会う事もなかった。
木川信子はシャーナの祖母の名前である。木川という名前で有れば何か知っているのではとかすかな希望に、彼女はSNSで木川を検索し、見知らぬ木川剛志にメッセージを送ってきた。木川剛志には横須賀に親族はなく木川信子という名前を当然知らない。和歌山大学に勤める研究者だった私は福井市、和歌山市の空襲を研究し戦災孤児を調べていた。そして私自身は5歳の子供の父親だった。洋子が養子縁組をしてアメリカに渡った年齢と一緒である。
何かの縁を感じた。研究者としてできるだけのことがしたかった。こうして私は木川洋子を産んでその後、行方の分からない木川信子の生きた証しを探し出すべく、その足跡をたどり始めた…
【解説】
SNSの時代がもたらした偶然の出会いが、かつて日本に生まれた女性に、追憶の旅をもたらす。その旅は、80年前の戦争による惨禍を炙り出すと同時に、現代に生きる我々に、ひとつの“奇跡”を目撃させる…。
大学教員で研究者の木川監督は、当初は単なる記録としてカメラを回し始めた。しかし中途で、「これは“映画”にしなければならない」と思うようになったという。本作はそのプロセスをも、我々に体感させる。
この作品には“30分”“60分”“107分”の3つのバージョンが用意されている。今回は“60分”バージョンをお届けするが、劇場公開を果たし現在も各地で様々な形で上映されている“107分版”も、機会があればご覧いただきたい。(松崎)
【監督プロフィール】
和歌山大学観光学部教授。
1976年京都市上京区上七軒界隈生まれ。上七軒は京都の五花街の一つであるが、西陣地区でもあり、機織りの音と三味線の音が交わる中を小学校に通う。1999年京都工芸繊維大学造形工学科卒業後、スリランカ、中国大連、アメリカMiamiの設計事務所の勤務を経て、2002年The Bartlett School of Graduate Studies, University CollegeLondonの修士課程修了。帰国後、京都工芸繊維大学機能科学専攻博士後期課程に入学し、2006年博士(工学)。同年、福井工業大学経営情報学科講師となり、2010年よりデザイン学科メディアデザインコース准教授。
福井市在住時より、地域を舞台とした短編映画製作を学生たちと行う。映画以外にも落語専門の寄席小屋(きたまえ亭2014年末閉館)を運営し、地域の物語をモチーフに落語の台本執筆や上演をしてきた。また、2014年より「街」をテーマとした映画祭を福井市にて主催している。朝日新聞和歌山版「ウラマチぶらり」連載中。2015年より現職。地域プロデュース、観光映像を専門とし、自らも街を舞台とした短編映画を監督、脚本として製作している。
祖父は第一映画、新興京都や大映に属した美術制作の職人。主な参画作品として溝口健二監督「浪華悲歌」(1935)や黒澤明「羅生門」(1950)、渡辺邦男「忠臣蔵」(1958)などがある。祖父の現場に通って木工に興味をもった父親が建築家業を始めたことから、建築に興味を持ちながら育つ。
大学では建築を学び、卒業後はスリランカの建築家、ジェフリー・バワの下で修行をし、ロンドンの大学院を出てアメリカの大手設計事務所に勤めて、日本支社長として帰国するという壮大な“西回航路”を夢見てスリランカに向かうが、ビザなどでトラブルなどして7ヶ月にして帰国。その後、中国で働くという紆余曲折を経験する。ロンドンに留学するという夢は叶うが、そこでBill Hillierという稀代の研究者に出会い、研究への道を志す。京都で学位を得た後、福井県で職を得て、現地でまちづくりに関わるうちに映像製作を覚える。映像製作、落語などの業績をもって、日本で唯一の国立の観光学部を擁する和歌山大学に異動し、現在に至る。
日本で初めての国際観光映像祭, Japan World’s Tourism Film Festivalを立ち上げ、現在代表。
【CAST】
出演:バーバラ・マウントキャッスル 木川洋子
ナレーション:津田寛治
【STAFF】
撮影:木川剛志 上原三由樹 関戸麻友/ 編集:筏万州彦 木川剛志/ グラフィック:松原かおり/ 題字:木川泰輔
主題歌:「おやすみ」キャラバンキョウコ/
- 作品 『つくもさん』 13分監督 鹿野洋平
【受賞・上映歴】
・第1回熊谷駅前短編映画祭 優秀賞受賞/・沖縄NICE映画祭2 NICE賞受賞/・広島こわい映画祭2023 観客賞受賞/
・第5回REIKI FILMS FILM FESTIVAL 最優秀作品・監督賞受賞/ ・フィルムフェスト・アキヅキ 上映作品選出
・那須ショートフィルムフェスティバル2023 じゃらん賞受賞/ ・第1回大牟田映画祭 入選/・第6回おおいた自主映画祭 入選
・第26回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭 第22回短編映画コンクール 入賞/・夜空と交差する森の映画祭2023 上映作品選出
・みちくさ映画祭 上映作品選出/・西湘映画祭 Seisho Cinema Fes 6th 短編部門ベストアクター賞/コメディ部門ベストコメディアン賞 受賞
・おおぶ映画祭2023 ショート部門入選/ ・ 第3回SAITAMAなんとか映画祭コンペティション グランプリ受賞
・グローイングアップ映画祭 鶴川ショートムービーコンテスト2022 町田市長賞受賞
・函館港イルミナシオン映画祭2022 第5回ショートムービー・コンペティション 観客賞(グランプリ)受賞
・西東京市民映画祭2022 第19回自主制作映画コンペティション 優秀作品賞/観客グランプリ 受賞
・第7回福井駅前短編映画祭 優秀賞受賞/ ・ DigiCon6 JAPAN 2022 JAPAN Silver受賞
【あらすじ】
日曜日の朝、幸せそうに過ごすアンナと浮気相手のリュウジ。そこへ突然、古本買取業者のツクモが落語の本の出張査定に訪れる。夫のトシロウが依頼したのを忘れていたアンナは、仕方なくツクモを招き入れ、リュウジを置いて飲み物を買いに行く。落語マニアのツクモが本棚に並ぶ貴重な資料に歓喜していると、トシロウが予定より早く帰宅する。その時、リュウジはまるで落語のようにツクモを名乗り業者になりすまそうとするが・・・。
【解説】
大ピンチを迎えた人間が、その場をただただ逃げ切るためだけに、別人になりすます。居合わせた人間のリアクションも絡んで、話があらぬ方に転がっていく…。
三谷幸喜などが得意とする作劇のパターンだが、鹿野洋平監督も好んで、そうしたシチュエーションをドラマに持ち込む。それが「おもろうてやがて悲しき」テイストの場合もあるが、今回はそのドタバタに巻き込まれた男が、ただただ“困惑”する表情が軸になる。
「TOKYO月イチ映画祭」でも紹介された小松孝監督作品や『宮田バスターズ』などでお馴染みの渡部直也が、各地の映画祭で“俳優賞”を受賞したのも、納得の演技を見せる。(松崎)
【監督プロフィール】
1992年神奈川県横浜市生まれ。2017年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了後、 東映株式会社に芸術職研修契約者の助監督として入社。白石和彌監督『孤狼の血』はじめ、東京撮影所・京都撮影所で数多くの映画やTVドラマに演出部として参加する。2020年4月より独立し、フリーランスの映像作家・助監督として活動中。
【CAST】
渡部 直也,阪本 竜太,吉見 茉莉奈,佐田 淳,佐藤 晶愉輝
【STAFF】
監督・脚本・編集:鹿野 洋平/ 撮影:鈴木 和馬/ 録音:若木 裕介/ 制作:佐藤 晶愉輝/
- 作品 『カレーの匂いがした』9分 監督 門田樹
【受賞・上映歴】
立川名画座通り映画祭 ドラマ部門賞/ 熊谷駅前映画祭 上映/ みちくさ映画祭 上映/ 西湘映画祭 上映/ あわら湯けむり映画祭 上映/
【あらすじ】
東京タワーが綺麗に見える公園でハチ子は電話をかけた
「これは本来、恥ずかしくて誰にも話すつもりなかったんだけど、この事態を1人で受け止める辛さが恥ずかしさを上回ったから、聞いて」
【解説】
登場するのは、ヒロイン1人。彼女と友人とのスマホでの会話が続く形でドラマが展開していく。回想シーンなど用いることなしに、かつての淡い恋物語を、現在と地続きに浮かび上がらせていく手法が見事である。また物語の背景として、夜の東京タワーが効果的に映える。
「お笑い芸人の余技」の段階を超えて、門田樹が“監督”として進化を遂げた作品としても、記憶したい。(松崎)
【監督プロフィール】
お笑いコンビ エーデルワイスとして活動し、爆笑レッドカーペットなどに出演。2021年にコンビを解散。現在はミュージックビデオの監督などをしている。
【CAST】
Ayasi,野良のりオ
【STAFF】
監督・脚本・撮影・編集 門田樹
■ Bプログラム終了 ■ 18:23
■ 閉会式 ■ 18:40~